7月の月満ちる夜、日本へ降りたち
8月の月満ちる夜、インドへ飛ぶ

ひとつの月の巡りを
ユーラシアの東の果て太平洋に続く
海沿いの街で過ごしました

たくさんの方にお話会や展示会にいらしていただき、ありがとうございました。
突然決まった帰国も、有意義な時間でした。
サポートしてくださったり、共創、共存してくださった皆様のお顔が
インドへ向かう飛行機の中で、思い出されてなりません。
心から感謝しております。

日本での猛暑の暮らしに届いていた
ヒマラヤからの連絡は

川が氾濫した
山が崩れた
人が流された
家に帰れない
電気がずっと止まってる
充電がないから少ししか話せない

7月にヒマラヤを発つ直前に投稿した落雷も雨も、降りやむことなく降り続いているよう。

母のように慕い共に働くおばあさんの家が流されてしまった
荷物を預かっていただいている常宿の家族も
川の氾濫地域でもう3週間、夜は避難所で眠っているという

土砂崩れが起こりすぎて、3週間道路が封鎖されバスも車も走れず
ヒマラヤ全域で多くの人も動物も建物も、土砂崩れに巻き込まれてしまっているそうだ

今まで一度も氾濫したことのなかった川が氾濫し
今まで平和だった山の斜面の村が、土砂崩れで村ごと全部流れてしまうという

ヒマラヤの人たちの途切れ途切れの切実な声が届く中
日本の海岸近くに暮らし、過酷な暑さと海水の温度の上昇と
地球規模の気候変動を感じていました

今までに起こったことがないことが
起こっていると。ヒマラヤの村の人たちが言っていた。

日本でも災害や気候変動によって苦難を強いられている方
また、ヒマラヤの大自然の循環の中に生き続けてきた、
遊牧民たちが感じている、環境の変化。

それでも、同じ想いを持つ方々と共に祈り。
祈りのこもった行動をご一緒していた日々は
本当に嬉しいことでした。

日本での思い出が巡っています。

風鯨社(出版社)の伊藤美咲さんは、私の見ている世界を
心も脳も飽和状態なるまで吸収し、ヒマラヤの現実も美しいだけでなく
また、私という人間の葛藤と生き方までも
多くの人へ伝わるようにと、何度も何度も打ち合わせを重ね
アイデアをひねり出し、校正、タイムスケジュール、実際の本に印刷した時の見本など、この短い期間に共にベストを尽くす朋友となりました。

いつもお世話になっている会場さんも、初めての会場さんも、愛しき友人たちも、
時に真剣に、時に大笑いで、大きな愛と共に心満たされるイベントを作り上げてくれました。

必ず帰ってきなさいよ。と、別れ際にハグと共に言った、姉の様にお慕いする方のお言葉。

短く刹那の瞬間に、言葉少なくとも想いを交わせ
今 ここ。 を、分かち合えたこと
それは、私自身に大きな影響を与えてくれています

コロナでロックダウンの時も、いつだって
早く帰ってきてと言っていた村の人たちが
10日から2週間待った方がいい。今は危険すぎる。
と、連絡をしてきました。

きれいなだけじゃない、大自然の恐ろしさも
全て丸ごと伝えたいと思う気持ち
本を出すのだから、こんな時も含めて記録に残したい
そんな想いと葛藤は続いていました。

大自然の雄大さを伝える
フィールドレコーディング家、写真家、。
映像家、作家さんたちが
その一線を越えてしまって、光に還ってしまう事故が時にある事
山や海のエキスパートだった、数々の友人が早くに還らぬ人となったこと

こんな時だから
村へ向かう峠の道は、何か所も何か所も崩れてしまっているというけれど
帰りたいと思う気持ちとの葛藤が、実は日本にいる間ずっと続いていました

そんな状況だからベストを尽くしたい
何が正解なのか
ちっぽけな私にできることは何なのか。。。

7月15日から8月15日は、私の信仰する神様
Shiva Ji の特別な祈りの月間で
仕事に差し支えのない日には、半日の断食を続けていました。

Shiva ji の棲むというヒマラヤに早く帰りたかった。
私がShiva ji の愛すべき特性、慈悲深い愛の瞑想家であるという点があります。
今は、土砂崩れが多発する峠を歩いて帰ろうと思わず
愛を込めて瞑想しましょう。というのが私の答えでした。
今の自分の段階での、一番、純粋で透明な気持ちで祈れるよう
こんな時こそ、自分を清め、整えようと思います。

ヒマラヤの先住民の暦では、8月15日ころまでが最も水害が多発する時期です。

たくさんの葛藤はありますが
私を、大切に思ってくれる人たちが
今回の帰国中かけてくれた言葉たちを思い出し
楽しかったみんなとの時間を思い出すなか

幼いころから 生 という事にあまり執着のなかった私が
まずは、必ず無事に山を降りる。生きて帰ってくる。
決意を強く強くできるようになりました。
それを一番大事なこととして、自分の行動を決断していこうと。

たった3,4年前の私にはできなかった決断です。

共に暮らす羊飼いの息子さんが、
先日、ヒンディ語で書いていた詩を引用します。

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時と共に変化する
また、変化していくことを学ぶ
抗えぬ発展を呪うな
あらゆる状況で歩くことを学べ

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皆さんも、お元気ですごしていてください。
人という、美しい種族として生きましょう。
とにかく、生きていきましょう。
行ってきます。

ありがとうございます。
本当に、皆様のおかげです。

心から愛と感謝と祈りを込めて。
全ての存在が幸せでありますように

香港より 2023年8月2日

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