展示会やお話会が終わって、次のプロジェクトの始まり。
キツツキ工房さんに、ヒマラヤのオリキの再現をお願いしていて、設計図が上がってきました。
キツツキ工房のご主人いわく、とても原始的で単純な構造とのこと。

つまり、立派なお名前が付くような織物を生み出せるような精巧な機会ではないのだけど、ある意味、ひとつモデルを作ってしまえば、日曜大工の得意なお父さんが、奥さんのために作ってあげれちゃう。
そんな、生活の中に特別じゃなく、寄り添える織り機の形なのだそうだ。

そう。
ヒマラヤでも、私ですらナタを持って、部品が壊れたら、自分で道具を作る。
隣のおじいちゃんも、おばあちゃんも、みんなの日常の中に、畑仕事や、牛飼と同じように、紡ぎと織りがあって、衣服もシンプルな民族衣装だから、衣服の自給もとても身近なこと。

原始的な古代の織りを、博物館や資料館で観覧用に、手の届かない所に飾ってしまうのではなくて、みんなの祖先もやってきた、ごく普通の人間としての本来の営みとして、生きるということの身近に置いては置けぬのだろうか?

人間という生き物は、とても長い年月この地球という星に命を繋ぎつづけ、進化をしてきた。
人間の骨格は、次の世代に移行する時、変化が早いそうだ。
消化器系は一世代の移行では、変化が緩やかで、脳に至っては、そんなに変化しないらしい。

つまり、人間の見た目は早く進化していく。
消化器系は緩やかだから、急激な食生活の変化には対応できず、成人病などの疾患を増やす。

そして、脳の特性はなかなか変わらないらしい。
人間には、いまでも、自分で水を汲みに行き、狩猟や農耕で食べ物を、自分の体を使って得るということに、脳が本能的に喜びを得るという。

都市でコンピューターに向かい合う暮らしをしていても、この、人間の本能は変わらないらしい。

自分の育てた羊から、1枚のショールを作るのに6年がかかったけれど、その6年をかけた時間は、その時に感じたことは、まさに、自分の脳や体の細胞が、活性化し何かを思い出すというか、覚醒するというか、
自分自身、もう一度生まれ変わるみたいな。感じだった。

先住民族の儀式で、1日から数日をかける、儀式にも参加したことがあったけれど、まさにそのような儀式に似た精神や肉体の感覚を、糸紡ぎと織りで体験するようだった。
6年間、日常の生活をヒマラヤの山岳民族の村の暮らしをベースにし、それに取り組んだ日々の濃密さは、光も闇もとても濃厚に、深く深く自分に突きつけて来たと思う。
このように、とても大きな挑戦ができたことは、それまで、ほかの先住民族の一日の儀式や教えを受けていた事も、大きな助けになってくれたと思う。

そして、今、私が取り組んでいるのは、
一日だけの体験クラスや、お話会という疑似体験の次のステップ。
ヒマラヤの村で、人々が物質的にはシンプルで暮らしも便利さは無いけれど、日々、瞬間瞬間を、光を感じ、自分と地球と宇宙を感じ、健やかに祝福と共に幸せそうに笑う姿。
その源は、持久的な生活を重ね、脳も肉体の細胞も満足して満たされているようだから、あのように笑える、そうやって生きていく方法を、あの村で御年寄達から受け継いでいるような気がするのです。
難しい言葉で言うと、それを叡智。とかって言うのかもしれませんが、実際は、とても単純なことが秘密な気が、たった9年ですが、あの村に居させていただいて思うようになりました。
あの村で育った人達は、それが当たり前で、その環境で育ってきた、人類の太古の昔からの秘密を繋いでいる、少数民族のひとつなのでしょう。

言葉にして理解や説明ができても、実際に自分の身体で体験することとは、全く違うから、年単位で糸紡ぎに自身で取り組んで、織りまで体験してもらえるように。
そして、その体験を通して湧いてくる感情、情緒を次の世代、次の次の世代へ受け継いでいきたいと、私も思うようになってきました。
ヒマラヤの村で、大きな大きな愛を持って、厳しく、美しい人間としての生き方を見せてくれた今は亡き長老達、今を私を心から愛し、共に生きてくれている村のみんな。
彼らから受け継いだことを、彼らが私にしてくれた事を、そのまんま、私は繋いで生きたいと思えるようになってきました。

そして、この思いと共鳴するように、現実も形成されてきて、たくさんの方が、皆さんの知恵を持ち寄ってくださって、今、こうして活動できています。

織り機の再現も、もう何年も準備していたし、それのために、お話会などでドネーションも頂いてきました。
このヒマラヤでの織り機の再現ののプロジェクトのためにも、今まで貯めていた、皆様からのドネーションを使わせていただく予定です。

今まで、たくさんの方のご支援で活動を続けられています。
企業や行政のサポートではなく、他者からの干渉を取り入れることなく、私のペースで続けさせていただけているのは、本当に、たくさんのたくさんの皆様のお気持ちのおかげだと思っております。

大地の下では新しい芽吹きに向けて、眠りから覚めている。そんな気配を感じております。
春が、もうすぐやってきますね。
春の風が、また、頬を撫でにやってきてくれるのですね。
思い出すだけで、懐かしく恋しいです。

今日も生きとし生ける全ての存在が、地球と宇宙の祝福と光と共に健やかであります様に。

愛と、感謝と、祈りをこめて

MutsumiUmi

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