Photo:Aya Chiba

靴下ができるまで。。。たくさんの工程があります。

Bellaterraでは、その工程をできるだけ、山の人達が受け継いできた方法に忠実に製作していきたいと思っております。

工業製品と手工芸では、製作の過程が異なることはもちろんなのですが、履き心地や、お洗濯の方法、取り扱いの方法も異なってまいります。

良い、悪いと判断して、商品を紹介する事を目的とせず、昔の人達がやってきたこと。。。その、工程が消えてしまう前に、人類が繋いできた”衣・食・住”の、”衣”の部分を、ただ知っていただけたらいいな。と、山で過ごした6年間を振り返って思うのです。

羊飼いがヒマラヤを旅をし、一年に二回の毛刈りをして、洗い、コーミングを経て、糸を紡ぐ段階までたどり着きます。そこまでの工程は、カテゴリーの”Himalayan Wool”を覗いていただけますようお願いいたします。

ーーー紡ぎーーー

Photo:Aya Chiba

このスピンドルでは、細く強く紡ぐことができるのが特徴です。

1本だと細すぎるので、靴下には4本の糸を重ねてボールを作ります。

Photo:Aya Chiba

4本糸が重なって

Photo: Aya Chiba

そして、4本どりの毛糸球ができます。

こうしてできた、毛糸球を、細めの編み棒で編んでいきます。

細い糸と細い編み棒を使っていますので、

ざっくりとした毛糸の靴下ではなく、目の詰まった靴下になります。

編み棒の太さ、そして、紡ぐ糸の太さによっても編みあがりの感じも大きく変わってきます。

そのため、一つとして同じものができないものです。

ちなみに、1時間で紡げる糸の量ですが、細めに紡いで10g。太く紡いで20g弱だと思います。

それを、巻きとり、ボールにする時間も含めて、靴下一足分で15-25時間、熟練の速さでかかります

一日に8時間、真剣に糸を紡いで、最短でも丸三日かかって、糸の準備ができます。。

Photo: Aya Chiba

羊たちは、手つかずのヒマラヤの大自然の中を遊牧されて育っています。 原毛には、たくさんの草や小枝がついています。洗い、紡ぎ、編み、仕上げ。すべての工程で、ごみとりはしていますが、大自然の中を歩き草を食んで、毎日を過ごしてきた羊たち。靴下にも、若干ですが草のくずなどが付いています。

また、白い毛の羊でも、所々、茶色だったり、黒の部分が混ざっていたりします。商品にも、個体特有の、色の混じりもあり、白から、グレーが混ざる部分があって、また、白になったり致します。

羊達は、日々こうして、楽しそうに暮らしています。体中に、とげとげした草木をつけて。こうして、草の種は羊の遊牧と共に広がります。草が付くのも、大自然の森羅万象の一部なんですね。この羊の名前は”ベドゥー”です。かわいいですね。 Photo: MutsumiUmi

羊、一頭一頭が違い。人の手がそれぞれ違い。出来上がる靴下、ひとつひとつにも個性があります。ネットショップでも、靴下一つ一つの写真を載せさせていただいて、一点物として販売していくつもりです。細かな色の違いなどお写真でご確認いただくのも、楽しんでいただけたらと思っております。

ーーー履き方。はき心地ーーー

手紡ぎ、手編みの製品は、一般的な機械で作られた製品と違いがいろいろとあります。

一般的な靴下は、ストレッチ感、伸縮性もあり、摩擦などにとても強いのが特徴です。

力作業など、足と、靴の間に摩擦が起こっても切れることはありません。

手紡ぎ、手編みの靴下の場合。

履き始めは、伸縮性がありませんので、一般的な靴下のように履くことができないものです。

最初は、糸詰まっている感じがあるのですが、力のかかる場所は緩んでいき、時と共に、毛糸が柔らかくなり足の形になじんできますので、着脱は楽に、履き心地は締め付け感もなく、素足が靴下の中で緩んでいるような感じになります。

そのため、履いていくうちに、靴下自体の形がその人フィットした形になり、全体も柔らかくなり、優しい感じになっていきます。

靴下の履き方のポイント

履き方の手順 ①

かかとの前まで足を通します。できるだけ、かかとまで、手繰り寄せて。

女性はストッキングをはくときの要領を思い出してください。

靴下のかかとが、自分のかかと近くに来るように、手繰り寄せながら足を通します。

履き方の手順 ②

”かかと”が合ったら、ゆっくりと靴下を上げます。

無理に引っ張らず、イモムシのように、寄っている靴下が、伸びて、上がっていくようなイメージで。

履き方の手順 ③

かかと、つま先を、ご自身の足の形に合うように整えていきます。

初めて履いた時は、少しきついところや、逆に緩い場所もあります。

手紡ぎの靴下は、伸縮性はありませんが、足の形に合わせて、履くごとに、柔らかくなって、身体の形にあってきます。1週間ほどで、履きづらさは感じなくなってくると思います。

photo by: Aya Chiba

毛糸の靴下の下に、薄めの綿、シルクの靴下を履くと、とても心地よいです。

このwoolは、濡れた状態で風に吹かれても、冷えを感じにくく、雨の時期にも活躍します。

通気性も良いので、乾きが早く、ヒマラヤでは一年を通して、そして、日本の梅雨、夕立に合った夏のアウトドアにも、濡れてしまった後の寒さがなく、大活躍しました。

雪山で育った羊毛の100kgほどの中から、上質な部分だけを10kg程、自分の手で選定いたしました、特選のヒマラヤの羊毛ですので、濡れても体が冷えにくく、履き心地は軽く、暖かいとご好評いただいております。

そして、一つ一つが手作りの作品で、同じ物が二つとしてないのです。上記、左側の履き口の寸法も、重さも違うので、こちらもネットショップでは一つ一つ表記いたします。右の写真の、かかとを図っていただいたサイズが履き口のより小さいようでしたら、はじめは小さく感じても、着用していただくことができます。

重さのも違いがあるのは、糸の紡ぎ方、羊毛の質の違いです。糸を紡いでもらった量や、良い仕事には、良いお給料を。と、現地の方と約束しておりますので、同じ靴下のように見えても、お値段が違うのはそのためです。

靴下を購入していただいたお客様から、毎日、靴下は洗濯したいものですが、この靴下は、洗濯していなくてもいやな感じがしないんです。とおっしゃっていただいたことがありました。

私も、そう感じていました。

羊にも、たくさんの種類や、育った環境がありますので、その違いなのではないかと。原毛や羊毛を専門で販売されているお店の方がおっしゃっていました。

ーーーお洗濯ーーー

ヒマラヤの村には、洗濯機はないのですが(笑) wool製品は洗濯機で洗うと縮む様ですので、手洗いをお願いしております。羊毛に油気があるのか汚れも落ちやすいように思います。洗面器などで薄めた洗剤のぬるま湯につけ置きし、優しく押し洗いをしていますが、それで十分な気がします。

履いていくうちにゆるみが感じられても、洗濯をするとまた少し縮みます。

お洗濯の仕方でも、人それぞれに形が変わっていくことと思います。

お洗濯の仕方のまとめはこちら↓

Phooto: Aya Chiba

衣替えなど、タンスの中に長くしまっておくときは、コットンのバッグが同封されていますので、お洗濯の後、袋にいれてから、タンスにしまってください。

化学製品の冬服には虫が付きにくいのですが、上質なウールは虫の好物のようですの、虫食いにお気をつけてくださいね。天然の防虫効果のある樟脳などとしまっていただけると良いようです。

Photo: Aya Chiba

靴下を履いて、その上から靴を履いて外出するのは、とても暖かくお勧めなのですが。。。
靴を履いた時に、靴と靴下の摩擦は、糸をとても早く痛めてしまいます。
一つのほころびが、手編みのため広がっていってしまいます。

工業製品は、扱いやすく、手入れも簡単で、安価のため、靴下のほころびを直すというのは、今はそんなにされている方もいないと思います。


靴の下に履かず、室内のみで使った場合、2,3年たっても穴が開くことはなかったのですが。
靴と一緒に履くと、山暮らしの時には、2,3回、買い物に行くだけで穴が開いてしまいました。
(1回の買い物が、往復約10kmのヒマラヤ登山だったため。。。)


冬は-20度にもなる、雪の日も買い物や、水汲み、薪わりと外での作業がありましたので。
市販の靴下では、足が冷えて、どうしても羊毛の靴下でないと、足が凍傷になると思いました。。。
そこで、外履き様の靴下は、切れやすいかかと、足の指の根元など、力のかかりやすい部分に、あらかじめ、当て布を縫いつけました。
その布には、難ありで糸を紡ぐレベルに達しなかった羊毛を、フェルトにした布を縫い付けました。

紡ぎ、編み、縫い・・・Mutsumi Umi
本当に履き心地が良くて、他に良いものはたくさんあるのですが、この靴下は特別です。

もう、3,4年履いていますが、今でも快適です。
そして、家用は、もこもこ、ふわっふわの靴下を紡いで編みました。

皆様、靴の下に履くときは、靴の中で足と靴の間に、摩擦のある靴は特に、ほころびにお気をつけくださいませ。
そして、摩擦の多いところだけ、当て布をしていただくと、ますます、その存在は愛おしく、寿命は大変長くなります。
手紡ぎ、手編みの靴下ですので、長く、お客様ご自身にかまっていただくと、靴下は、非常に喜んで、ますます、貴方を愛し、温もり以上のものを届けてくれると思います。

Photo: MutsumiUmi


靴下から、羊の姿は想像は直結しづらいかもしれません。


写真を眺めていただいて

ヒマラヤの羊飼いに思いはせる、

そんな時間も醍醐味のように思うのです。

wool 製品と語り合うように。

”靴下”ですが、一匹の羊のように接していただけたら幸いです。


汚れたら、羊を洗うように。。。石鹸も、お湯の温度も選んであげてください。。。


靴下は生き物ではないのですが。。。


この靴下、Bella Terra wool 製品は、持ち主方の愛と慈しみによって育っていくように思います。

Photo: MutsumiUmi

Produce: Bella Terra

https://www.instagram.com/bellaterra_art_collection/?hl=ja

https://www.instagram.com/bellaterra_happy_creation/?hl=ja

Photo. : Aya Chiba
https://instagram.com/himalayacrystalgrid?igshid=scntdir5t5vt

おすすめの記事