夜明け
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「人が遠い旅を求めるのは、自分のいる場所を知りたいからじゃないだろうか。どこまでも遠くに行くと、最後には自分の内側にまで戻ってくるような気がするんだよ」
「死をいま生きている対極に置くんじゃなくて、いのちをいのちたらしめているものとして、自分のなかに親密にとりこんで、その死との関係性のなかでいきることが、人生を充実させるように思ったんだ」
引用 ボイジャーに伝えて 駒沢敏器 著 より
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言葉にできない想いを、愛読いている本の一説より。
美しい地球と輝く宇宙と全ての存在へ
愛と感謝と祈りを込めて
ー写真ー
インド ヒマーチャル・プラデーシュ州
2023年9月10日 早朝
遊牧の旅 日中~夕暮れ
朝5時には活動を始める朝の遊牧民のキャンプ。火を起こし人間の朝食を作り、ヤギの乳を搾り歩きながら一頭づつの様子を見ていく。7,800頭の家畜の群れの中、羊飼いの少年Sonuはその個体差をしっかり把握している。
高地の遊牧地に来て火を囲んでキャンプで夜を過ごし、その翌朝は搾りたてのヤギのミルクのチャイを飲みながら遊牧のルートや役割分担を確認をする遊牧民の家族の日常の会話に混ざり高地に戻ってきた。という感覚に包まれる。
午前10時、私と師匠のおじいさんの息子さんと二人で羊を斜面の上の方に向けて遊牧に向かう。Sonuはヤギのグループを連れて下の方へ遊牧に出発した。
夕方までそれぞれの仕事に分かれ、また、夕方キャンプで羊とヤギと人間たちも合流する。
高地の天気は変わりやすい。雲は上にあるものではなくて、下から上がってきたり中に入ったり抜けたりを繰り返している。背景に広がる雄大な5~6000Mの岩山、手前の丘陵に雲の切れ目から斜めに光が射しこむ中を羊が移動する情景の中を共に歩き続ける。
ヒマラヤの高地に抱かれ、羊を追いかけ歩き鳥が大空を舞う空を眺め一日を過ごす。頭の中もその空気感に影響を受けて、不純物の少ないとてもシンプルな状態になる。
そのまま、夕方まで道無き道を羊たちと共に歩き続けた。
夕暮れ
日中の遊牧を終え羊たちと共にキャンプ地に戻り、日が暮れる前に火をおこし食事を作る。
標高の高い山の上では直射日光は紫外線が強く暖かいのだが、日光が当たらなくなると急激に寒さを感じるほど気温は下がっている。
夕方からは焚火の周りに集まり座り、暗くなっていく静かな夕暮れを過ごす。
羊飼いの少年Sonuが幼い頃は、よく一緒に山に入ったが思春期の最中は少し距離が空いたが、遊牧地ではSonuも子供の頃のようで久しぶりに親密な時をゆったりと過ごせた。
「Sonu覚えてる?5年の歳月が経ったけどいろんなことがあったね。」と、燃える火音とヒツジやヤギの声を聴きながらぽつぽつと話しが始まった。
彼が12歳の時、初めて一緒に遊牧に出かけたこと、その途中で子羊が生まれたこと。
今、Sonuは高地で外界から遮断された静寂の中で家族から離れ遊牧を頑張っている。
彼が追いかけている羊達の羊毛を、家族の住む村ではSonuのおじいさん、おばさん、親戚一同で素晴らしい状態に仕上げるため、日々みんなで作業をしている様子を伝えると、はにかむようにSonuは笑っていた。
離れていても、ひとつの家族、ひとつの共同体な事を感じる。
前日、私が遊牧地きて久しぶりに会った時は「お風呂に長いことはいってなくて、煤で真っ黒だから写真撮らないで。」と言っていたけれど、何もない山の中で一緒に過ごしているうちに、カメラの前でも自然体でありのままの瞳を見せてくれるようになっていた。
10代から遊牧民として壮大な4000Mの大自然のなかで、動物たちの世話をしながら育った羊飼いの10代の兄弟。
バス道路のある町にある公立学校に通ったけれど、自分の意思で上世界、ヒマラヤの遊牧民として生きることを決め、10代にしてたくさんの動物たちの責任を負い、すでに自分の家畜を所有する青年に育った。
口下手で動物のような純粋で心の奥まで見通すような澄んだ瞳は子供のころから変わらないまま、肉体は厳しいヒマラヤで逞しく強く育っている。
一族の中自分の仕事を受け持ちながら、子供達が大きくなっていく様子を太陽の光の様のように感じた。
次世代が誇りと共に遊牧民の伝統を受け継ぎながら成長していく様子を見せてくれている事で、私も自身の活動や仕事を続けてきてよかったと思う。日本とかインドとか、自分の子供とか人の子供かは関係なく、自分の行いが未来の子供たちに繋がっていくようにと。心の底から思うようになってきた。
この谷に来て9年が経ち、子供たちは成長しまっすぐの言葉を伝えてくれるようになった。
多くの子供たちが私の活動や存在に対して自分なりの想いを伝えてくれ、私の仕事も親や祖父祖母と同じように自分か手伝ってくれるようになってきた。
この羊飼いのコミュニティーの中で私自身も地元の大人も子供も一緒に時を重ねていけることに心から感謝した。
遠く離れた日本という国で商品を購入してくださった方、応援サポートしてくださる皆様のおかげ。と、しみじみ思った。
満点の星の輝くヒマラヤの山の中で羊飼いの少年と燃える炎を見つめた寒い夜は、心にも炎がともっているように胸が暖かった。
大自然の営みに己の身一つで飛び込むと不要なものがどんどん取り払われて、心の奥に大切にしまってあった子供の時の純粋な状態、生まれた時に与えてもらった無垢な状態に還る気がする。
それは人の意思じゃなくて地球と宇宙には自動的にその力が備わっていて、太古の昔から先住民たちは、地球と宇宙に感謝と尊敬の想いを込めてその源に繋がってきたんじゃないだろうか。
人間たちも他の動物や植物や天気といった大自然そのものとコミュニケーションがとれて、人間という動物は健やかに他の命と共存して、この星に養われて生きてきたんだと。
ヒマラヤ山岳遊牧民の暮らし後編 に続く♡
SNSでは伝えきれないるわけがない。
羊飼いは終末の時代。と、文化人類学の教授の本に書いてあるように、このエリアにもほとんど残っていない生粋で純粋な遊牧民の暮らしを維持する大家族。
家族の役割、村としてのコミュニティーの中に、日本人女性のMustumiUmiが9年の年月を共に暮らし、日本や先進国とこの場所をつなぐ役割を葛藤しながらも見出し、
文字には残らない生活のすべてを、生活の中から智慧と技を伝承しています。
2023 /10/1 オンラインライブ配信でヒマラヤから生配信します!!
2023年ヒマラヤ大水害。を受け、サポートの為好意でオンラインのお話会を@Mayuko Sudoさんが主宰してくださいました。
オンラインライブの収益は、経費を除き全額水害の被災された方へ寄付予定です。
【オンラインお話会詳細】
10/1(日)10:30~12:00 @ ZOOM
会費 1100円 以上の心地よい金額をお納めください。
☆当日より2週間視聴できます。
主催兼、配信時のパーソナリティーのセラピスト/ヒーラーの“須藤萬夕”さんと共に質問をする形式で配信していく予定です。
朝日が配信時間中に昇ってくる予定なので、天候が良ければ『 ヒマラヤから朝日の生配信 』できたらいいな。と、楽しみにしています。
ZOOMの招待が必要なようで、主催の須藤萬夕さんのHPに詳細を書いていただいています。
リンクよりお手数ですがお申込みお願いしいたします。
···チャリティーオンラインライブ配信···
須藤萬夕さんHP 申し込みページリンク↓
http://hibino-neiro.blogspot.com/2023/09/101zoom.html
1100円以上の参加費をお願いしております。経費を除いた全額を被災された方にお渡しいたします。
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