このセーターは、2019年の夏毛をその年の秋に洗いました
夏毛は冬毛より、ふわっと柔らかいのが特徴です。

◎色
白と言っても、無限に白がある。一匹として同じ白の羊はいないから。
大きく分けると、真っ白い白はブルーホワイト。きなりのような白はイエローホワイト。
このセーターの白は、柔らかい、本当にかすかに薄いレッドベージュの入ったような白。
何枚写真をとっても、肉眼で見るのと同じ色は撮れなかった、人間の目が感じられるかすかな色。

◎サイズ 13-17号
首回りがきゃしゃな方には、浮いた感じになるかもしれません。
表示のサイズは平置きですので、編み物は伸縮性があるので、表示のサイズより大きめの方でも着用頂けます。

◎見た目
BellaTerraでは、一般的に販売されてる機械で紡績された糸を使わず、原料の羊毛は、お世話になっている村の羊飼いの方より、直接、自分の手と目で選別し、できるけ忠実に、伝承されてきた手順を丁寧に行い“ 毛糸 ”から作成しております。
紡績糸でできた洋服と、着用感、見た目のしわのでかたが大きく違います。
糸の硬さ。紡ぎの糸の細さ、その糸を撚りをかけまとめる時の強さまで、商品ごとに変えております。
セーターは、柔らかめに紡いだ糸を、4本でまとめています。
◎このセーターは、最初はしっかりとラインの出る印象です。

模様の多く入っているデザインですので、おうとつがはっきりとし、厚みもあります。
着初めは、模様がしっかり浮いていますが、何度も着ることによって、糸が部分ごとに違う緩み方をし、身体によく当たる部分は、その方に沿うようになってきます。使っていただくことで、糸も味のある使用感が出てきます。

私自身は一枚のセーターを、冬場はほぼ毎日きてすごしています。その体験から、手紡ぎ、手織りの、ヒマラヤンワイルドウールのセーターが、どう変わっていったかをご紹介したいと思います。それは、今まで着てきたをウール製品と全く異なる体験でしたので。

初期~2シーズン始まり位まで。
毛糸がまだ固いので、しっかりした着心地。肩や首回りは、身体に沿う柔らかさはなく、実際より小柄な方が着用すると、浮いたような感じになるでしょう。
サイズがちょうどの方でも、最初はお身体から浮いた部分など、しわのようにラインが出ることもあります。
目の模様ははっきりと見え、セーター自体の存在感が強いです。

中期~4シーズン位まで。
糸が緩んできます。着用時セーターに身体が当たる部分、着用時にいつも負荷がかかる部分から、緩んできます。
身体にもなじんで、お身体に自然と沿うような、見た目になってきます。
柔らかくなじむ。

今、5シーズンを迎えました。
移動ばかりの生活ですので、持って動ける防寒着は一揃いで、山の中で薪わりや、水汲みが日常の暮らしです。
袖の部分がほつれてきたので。10cm程切り、そこからまた編み直しました。
同じ糸の色は2度と見つからないので、違った色で編みましたが、またそれも愛おしいです。
初めに比べて、ずいぶん、柔らかく、薄くなりましたが、ずいぶん長い時を共に過ごし、傷んだ部分は編み直しながら使っています。

ーーー作り手のご紹介ーーー

羊飼いーDolu Fmailyさん。インド、ヒマーチャルプラデッシュ州。ヒマラヤを遊牧されたワイルドウール、2019年の夏毛。
洗いーPabnaさん。Umi
紡ぎ・撚りーKimtyさん。
編みーAnitaさん。

Dolu Family さんには、3年ほどホームステイをさせていただいた。大家族で、遊牧に付き添う人、干し草の管理をする人など、多くの仕事を分担している。先祖代々続く羊飼いの家族。

Pabnaさん。彼女もまた違う羊飼いの娘。彼女は干し草を刈ったり、ウールの洗う作業が得意。厳しい環境でも、もくもくとマイペースに作業を続ける。無口だが、時々見せる笑顔が優しくて少女の様な雰囲気が時々する人。

Kimtyさん。とにかく優しくて、笑顔がこぼれそうで、柔らかいヒマラヤの太陽のようなお母さん。彼女も羊飼いの娘でPabnaのおばさん。歩いて2週間かけて塩を買いに行っていたという時代を語り、羊の事も加工の工程も良く知る私の師匠。

Anitaさん。賢く人を思いやる気持ちに溢れている人。上品で知性溢れているが、偉ぶらず昂らず、素朴なやさしさに溢れている。子どもの頃から、牛を追いながら、編み物をしていたという彼女。愛を込めて編んでいるから。と、彼女は編み棒を動かしながら言う。

不思議なもので作り手達の違いによって、同じ編み目で作っても、雰囲気も着た時に感じる何かも、大きく変わる気がします。
このセーターの作り手たち組み合わせを見ていると、干し草の香りがする山の斜面で、日向ぼっこをしている時の、懐かしくて素朴でほっとする。そんな情景ときの優しい風と太陽の香りがするような。そんな気がします。

2019年冬に洗った羊毛が、セーターに形を変え、今日は、やっと配送の直前の最後にもう一度、

この場所の温泉水と山水で洗いました。

出会うべき方に巡り合い、この山の大自然からの贈ろものが、

その方を包み温もりを届けに旅立つと思うと。。。

愛おしさやら、自然への、そして共に作業をしてくれている、みんなへの感謝や思い出。

いろいろな思いがこみ上げてきています

モデルーRadhika.
このセーターの糸を紡いでくれたキムティーさんのお孫さん。

Produced by Bella Terra

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