ヒマラヤ山岳遊牧民は平面の移動ではなく、季節ごとに縦の移動をします。
春夏秋は4000m程のヒマラヤの高地へ遊牧の長い旅へ、秋になり雪が降ってきたら、2500-2700m程の場所にある村を拠点に、毎日雪の中でみ遊牧に出ます。
夏の時

長期で4000mの高地で遊牧に出るのは大変体力がいるので、共に暮らす遊牧民の大家族の中から体力のある若者が一族を代表して遊牧に出かけています。

私を含め、一族のほとんどが普段は2500-2700mの村に暮らし、作物を育て羊毛から布をこしらえ家を建て、と衣食住の自給の役割を一族で分担しみんなでひとつの集合体として暮らしを成り立たせているのです。

私は村で羊飼いの家族と親密に暮らしています。月に一度は村から4000mの遊牧地へ必要な物資や様子見に、家族の中から誰かが4000mまで上がっていきます。

この文章は、家族の中の16歳の少年が一族を代表し4000mの遊牧地でひと夏の遊牧の旅に出ている所へ、その少年の叔父達と物資供給と「様子見」に出かけた登山記です。

共に山に入った「叔父達」は私の村の生活では同じ敷地に暮らしていて、私とは兄弟のように親密に暮らす運命共同体で、この時期高地に篭もり羊飼いしていた少年は小学生の頃から、私と共に遊牧をしていた私にとっても甥っ子のような存在です。

今は村に暮らし「様子見と物資補給」をしている叔父達も、少年と同じようにかつては夏の間、沢山の羊を連れて高地を旅していたのです。この一族は世代交代を繰り返し牧歌的暮らしを今日まで継続してきたのです。

ですが、空気も水も全てが純粋な遊牧民の聖地であるその場所は、地球という星のその美しさ魅せてくれる私の大好きな場所です。
静寂の夜、焚き火を眺め火の燃える音を聞きながら星を眺めると、宇宙が近く星の記憶の煌めきに自分が重なるような感覚がする程に宇宙の音に深く共鳴しているような気持ちになるのです。

大地に寝転ぶとほっとして、地球に細胞が解けるような感覚がして、生まれてきて良かった。と、静けさの中に素直にそんな感情が溢れ、涙が零れているような、私の大切な聖地に遊牧という行為で巡礼してきました。

ただ4000mの遊牧地までの道はとても厳しく、日本の登山ルートの難易度で言ったら、最難関レベルの道のりです。

前回4000mを超えた遊牧地に行けたのは5年ほど前のこと。その時は酷い高山病になり、幻覚幻聴の中自力での下山が困難で、命の終わりを覚悟した所を、同行した友人がまる2日間背負ってくれて、何とか生きて帰る事ができました。

その時から、遊牧地で感じた感覚を忘れることはなく魂の聖地となり、もう一度その場所に戻るために、自分の肉体も精神も鍛錬を続け、ようやく念願叶って遊牧民の旅路に同行しました。

心身ともに逞しく大自然を生きる遊牧民は、強いものだけがここに住み生きることが出来る。と、はっきり言います。

そんな彼らに同行する以上、長く続く険しい登山道では無い、「現地の人たちの歩く道」で、足に深い切り傷を負いましたが、傷の痛みも疲れにも、弱音を吐く訳にはいきません。

とうとう4000mの遊牧地にたどり着いた時、雄大な山並みと霧がかった大地に光が差す中を羊の群れの移動してくる様の、圧倒的美しさに魅せら疲れも痛みもどこかへ行ってしまったようでした。

ヒマラヤ山岳遊牧民の暮らし 夕方から夜

雪のない時期は標高3000M 後半から4000M前半の森林限界のを超えた丘陵地帯に洞窟に仮設のキャンプを設置し、日中は700~800頭の羊とヤギを連れ羊飼いが遊牧に出かけるヒマラヤの羊飼い。
丘陵の先は5000M以上ある険しい山肌に続き、その尾根は次の尾根に連なり幾重にも連なりすぐ先の尾根は6000M峰で、その先はキナウルとスピティーと繋がっている。
午後16時ころ背の低い花と下草の生える斜めに大きく波打つような道なき斜面を、羊の群れが草を食みながらゆっくりと斜面を斜めに下に向いながら、洞窟を利用したテントのある寝床に向かって帰ってくる。

水場が近く、700-800頭の羊とヤギが休める空間があり程好き洞窟がある。

なだらかなように見えて起伏に富んだ広い丘陵地帯の広大なエリアに、宿泊に適したキャンプ地を停泊地を知っている彼らは定期的にキャンプを移動しながら、春の雪解けから、また雪が積もるまでの6か月以上、遊牧をしながら暮らしてきた。
高地に浮かぶように存在している黄緑色と色とりどりの花が混じるカーペットのような部分の先はそびえる岩山、下方には高地に生える木々の最後の列が濃い緑の部分に分かれているラインが遠くに見える。

羊の遊牧に非常に適したこの山に、彼らは先祖代々数百年か千年前かわからないらしいが、とても長い間山岳遊牧民という暮らしを続けてきたらしい。
キャンプに羊とヤギが帰ってくると、羊飼いは洞窟で火を焚き調理をし、暗くなる前に食事をとり、暗くなったら焚火にあたり、8時過ぎテントで眠る。そんな暮らしが先祖代々続いている。


夜に、クマやトラが来て時々家畜を襲うので、羊飼いの青年は、羊の群れのすぐ横のテントに狩猟用の銃と共に眠る。
犬たちは夜の間も、群れ以外から侵入者が来ないよう常に見張る、それが犬達の役割。
ヒマラヤの高地の夜は、9月10日の時点でマイナスになっていた。

火の燃える音と動物と人間の声
真っ暗で何もない空間の広がりを感じる夜
大量の星が輝いて見えた
あまりにも量が多く
密度の濃い星たちは
空を覆う輝く平面のようで

星の天蓋


と、多くの詩人が例えた悠久の空を思った

冷たい風と暖かい炎
闇の中に輝く星を見ながら

すべての存在に感謝の気持ちが溢れた
ありがとう
本当にありがとう

この星に生れてこれてよかった

このテントに寝泊まりしていました

ヒマラヤ山岳遊牧民の暮らし中編 夜明け に続く♡

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

SNSではうまく伝えきれない! 羊飼いは終末の時代。と、文化人類学の教授の本に書いてあった。
このエリアでも、もうほとんど残っていない、生粋で純粋な遊牧民の暮らしを維持する大家族。
家族の役割の中に、日本人女性のMustumiUmiが、9年の年月を経て、共に暮らし、自分の役割を見出し、共に共存、
文字には残らない生活のすべてを、朝から晩まで一緒に過ごし、智慧と技を伝承しています。

10/1のオンラインライブ配信でヒマラヤから生配信します!!
2023年ヒマラヤ大水害。へ、サポートの為好意でお申し出をいただいたオンラインのお話会を主催してくださった方がいます。ありがたい。本当にありがたい。
オンラインライブの収益は、経費を除き、全額寄付予定です。

【オンラインお話会詳細】
10/1(日)10:30~12:00 
会費 1100円 以上の心地よい金額をお納めください。
☆収益は経費を除いた全額を今回被害に遭われた方に分配予定です。
☆当日より2週間視聴できます。ぜひ!

ー主催兼、配信時のパーソナリティー
セラピスト/ヒーラーの 須藤萬夕 さんと共に質問をする形式で配信していく予定です。
朝日が配信時間中に昇ってくる予定なので、天候が良ければ『 ヒマラヤから朝日の生配信 』できたらいいな。と、楽しみにしています。

ZOOMの招待が必要なようで、主催の須藤萬夕さんのHPに詳細を書いていただいています。
下記のリンクよりお手数ですがお申込みお願いしいたします。

http://hibino-neiro.blogspot.com/2023/09/101zoom.html

ありがとうございます。
光と祝福とともにありますように祈っています

おすすめの記事