ヒマラヤのトレッキングに行くと、もう人の住めない高地と、村の境に羊飼いがいたのを見る。
神話の世界のヒマラヤと、人の世界の、そのはざまを遊牧している羊飼い。
羊飼いは、羊を連れて山を歩き。。。
毛を刈り。。。
糸を紡ぎ。。。
織り。。。
神様しか住めないような、険しいヒマラヤの山々の洞窟に眠り、雨の日も、風の日も、雪の中も。。。
何代も、何代も、歩いてきたようだ。。。
彼が織物をするさまは美しい。
無駄な思考が一切ないようで。。。
一つ一つの動作を、同じリズムでこなしていく。
長い年月、それを繰り返してきたのでしょう。
夕暮れ時、彼とこの軒下に座り、ただこの景色を眺めてきました。
私が、織物を教えてほしいと言うと、彼は言いました。。。
”教えることなんて何もないよ。。。
よく見て、考えて、やってみな。。。
そして、また、よく見て、考えて、やってみるんだ。。。”
ヒマラヤの羊飼いから教えてもらったことは、言葉にできないけれど。。。
今、ここネパールでも
よく見て、考えて、やってみています。。。
Photo - MutsumiUmi
2019年、Himachal Pradesh, India