昨日の夕暮れは、光が雲の間から梯子のように、大地に差し込んでおりました。
ヒマラヤは雨の時期に入りました。
こちらは、雨が降り続くことはなく、晴れていたと思うと、雷がなり、大きな雲が高い山の稜線からもくもくと、空の天蓋を覆い、雨が降りだします。
石でできた屋根に落ちる雨の音は、柔らかく眠くなってしまいます。
草や樹に触れるように落ちる雨の雫は、その表面を優しく撫でるように雫は伝い、大きな大地へ染み込んでいく。
空からやってきた、ひとしずくの水滴が、植物に触れ、家に触れ、私に触れて、大地に染み込んでいく。
その音は、全てを優しく包み込むように、雲とともに、どこかからやってきて、やがて、雲の合間から、光がうっすらと差し始め、小鳥達が歌い始める。
小鳥が歌い始めたら、雨がやみ 、雲の間から光が差し込んでくる。
雨に濡れた、この山並みに、大地に、再び光が差し込んでくる。
天から、たくさんたくさんの祝福が降ってくる。
植物も、動物も、葉を広げ、風にゆらぎ、光を浴びて、その祝福を、ただ、享受する。
ただ享受する。
そこに生命の煌めき。
天と大地と一体になった、生命の光が見える。
雨の季節のヒマラヤは。
長い冬を越え、眠りから覚めるように、輝く生命のハーモニーに溢れています。