ヒマラヤの遊牧民が高地を遊牧した原毛から、山岳民族に伝わってきた伝統的な方法に忠実に、
各家庭で村の人たちが手紡ぎ、手織り、手編みした羊毛の衣の展示販売を今年も行います。

【 出会い 】
糸紡ぎとヒマラヤの遊牧民に出会ったのは、まったくの偶然でした。
欧米やアジアのパーマカルチャーやエコビレッジを巡り旅をしていた頃。
2014年、雪に覆われたトレッキングでしか辿り着けない小さな村で、 糸を紡ぎ、布を織り、羊を連れて歩く人々の姿を見ました。
その姿に心を奪われ言葉も通じないその村に滞在し、糸紡ぎを教えてもらったことがすべての始まりでした。

【 暮らし 】
彼らが糸紡ぎに使うのは「スピンドル」と呼ばれる 太古の昔から伝わる小さな道具です。
動物をヒモでつなぐことも檻に囲うこともせず、 牛や羊馬と共に人が歩む素朴な遊牧の暮らし。
畑に撒く種も動物たちも 先祖から受け継ぎ、種を繋いできた古来種達に囲まれていました。
その風景に私は心奪われたのでした。

【 人と自然のかかわり 】
風、水、土、火。
大自然に調和しながら、衣食住を生み出す暮らし。
羊を遊牧し川で毛を洗い、手で紡ぎ、編み、織る。
その営みは植物や動物自然のエネルギーと寄り添い、循環の一部である “パーマカルチャーデザイン”の本質そのものに見えました。
彼らのつくるウールの衣は、暖かく、通気性にも優れています。
近代文明が訪れるまで、厳しいヒマラヤの冬を、 家族で紡ぎ自給した衣で越えてきたそうです。

【糸を紡ぐ】
手紡ぎにはいくつもの方法がありますが、 彼らが用いるのはスピンドルという太古から伝わる手法です。
標高4000メートルの高地を健やかに遊牧された羊の毛が、小さく単純な道具で魔法のように毛糸に紡がれていきます。
現地でも工房や職人さんの現場では、ローカルウールを用いて、スピンドルで糸を紡ぐ姿はほとんど見られなくなりました。 村の暮らしの中で、長老たちが孫のために紡ぎ、織る。 そんな遊牧民の本質的な衣づくりと生き方に 私は深く惹かれていったのです。

【 分かち合い 】
売るためではなく羊や牛の世話をしながら、 彼らに習い自分と家族のためにウールの衣を作るようになりました。 数年が経ち、 「分けてほしい」という日本の友人たちの声も重なり それまで私にウールの事を教えてくれていた村の方々と、日本でも快適に使えるデザインで手紡ぎのウールの衣を作るようになりました。

【 受け継ぐもの 】
十年以上をヒマラヤで過ごす中で、 心を通わせ、隣に座って糸を紡いだお年寄りたちの数人は天寿を全うされました。 彼らを思い出すとき ただ自然の中にあるものを見つめ、 諦めずに行動を続けていた姿です。
「ヒマラヤの遊牧民の叡智」 言葉にすると大げさに聞こえるかもしれません。
穏やかさと勤勉さが共存する暮らしの原風景の中で、育まれ伝わってきた暮らし。
「野生動物と同じように、人もまた美しい生き物として、美しい地球で長い時を生きてきた。」
そんなシンプルで、かけがえのないことを、 未来へと紡ぐひとつの点であれたら―― そう願っています。

展示会スケジュール
2025/12/12(金), 13(土), 14(日)11:00-17:00 「 ASABA ART SQUARE 」
横浜金沢文庫 住所:横浜市金沢区金沢町205(金沢文庫駅徒歩7分)
お問い合わせ: 08050951248 harushima1210@ezweb.ne.jp
https://www.asaba-art-square.com/
2025/12/20(土)21(日)22(日)12:00-17:00 シロテナリ
上野原 住所:山梨県上野原市鶴島2277(JR上野原駅 徒歩10分)
Instagram: shirotenari.cafe
2026/1/11(日), 12(月), 13(火)11:00-17:00 展示会 「 日用美 」
神奈川二宮 住所:神奈川県中郡二宮町二宮1022-2
お問い合わせ 046-368-3380 https://nichiyobi.net
2016/1/17(土)18(日)22(木)23(金)24(土)25(日) 12:00-19:00 「 ヨモギドラゴン」
明治神宮前・原宿 住所:東京都 渋谷区神宮前6丁目8-10 AIHARA Ⅱ 2F
お問い合わせ:050 1514 2922
⭐︎12月中旬よりネットショップにて一部商品販売開始
ブランド詳細はHP へ https://www.bellaterra.jp/




モデル 花 有子
ベレー帽 @funnyqreature
撮影 鈴木 厚幾



