ふた月前の満月で日本へ、ひと月前の満月にインドへ。そして、インドでひと月巡る。
私が日本へ行っている間の、丸1ヶ月インド北部では大集中豪雨が続いていたそうだ。
身近な被害は9年前から糸紡ぎを教えてくれていた、マノルマさんの家が跡形もなく流されていた。
一緒に働いていた主要メンバーの3家族は未だ避難所暮らし。
川沿いにあった道も、跡形もなく川に流れてしまったようで、全ての荷物を、山側のお寺の一室に移したそう。
道が流れてしまっているから、山側の窓を内側から壊して荷物を運び出したよう。地面に散らばるガラスの破の形跡が物々しい。
避難先に顔を出すと、いつもマノルマさんは、bellaterraのセーターを編んでくれている。
川沿いに住んでいた人達は、豪雨で家が流れた日のことを、何度も話してくれる。
「UMIのセーター、流れていかないように必死で守ったんだから。」
編み終わったセーターを、大騒動の中大切にしまってくれていた。
愛おしい人達。
小さな村に土石流が流れ込んだ。山から続く道は、両脇の家の二階の位置まで土砂が流れ込んでいる。
車も重機が入れない小さな村。
毎日少しづつスコップで土砂を掘っている。
隣の村は、斜面全体が地すべりしてしまっていて、村全体が大きな被害を受け、未だ、適切な処理はされていない。
復興作業は人力が主、作業に時間がかかる。
一生懸命働いて一生かけて建てた家が流れて悲しい。復興のため働いても働いても、中々進まない。
町の雰囲気は、みんな疲れ切っていた。
私自身も、事務所兼倉庫の部屋が避難エリアだったため、荷物を移動してくれていたので回収し、濡れてるものを洗って干したり現状復帰をめざしている。
【⠀ライフラインについて⠀】
ー山の自宅ー
草だらけで、家の前の崖も崩れてて、まずは家の周囲を草刈りして、地面の滑ってる部分をステップを作り直して、ついでに今まで気になっていた部分にも手をつけた。
1ヶ月手がけたら、今までよりも快適に修繕できた。
⇒カナズチ。ノコギリ。鍬。鎌。軍手。停電中でも使えるシンプルな道具が、すぐ手に届くところにあると、いざという時慌てない。
ー水ー
氷河からの渓流の上流部から、パイプで水をひいていたのだけど、渓流の流れでパイプが流れてしまった。
1番近い水場は、標高2700m、道のりは急勾配。下りは空のボトルで7分。10Lのタンクを持って上り12分。
日本に戻り鈍った身体には、酸素が薄く苦しかった水汲み。3週間ほど続けると筋肉も高度も順応した。
水汲みという低酸素トレーニング。
この水は調理と食器や野菜の洗い用の水。超節水で洗い物もするので一日に使う水は5Lくらい。
洗濯、シャワーは、水場近くの友人宅を、使わせてもらっている。
トイレの水は、トイレの外のドラム缶に雨水を貯めて、その水をバケツで運び水洗する。
⇒普段から調理、食器洗いで、自分と家族にどれくらいの水が必要か。認識していると、実際に災害に巻き込まれた時に、焦らず対処出来ると思う。
また、そのような視点で時々水の使用量、ガスの調理時間など改めて認識すると、使用するエネルギーの多い献立、少ない献立とわかってくる。
洋服も手洗いしやすい服と、手洗いしにくい服があって、こういう時には手洗いしやすく、脱水機が使えなくても、乾きやすく撥水性の高い素材は手洗い向き。手紡ぎの服は、水がきれよく、乾きやすいのも、手放せない理由の一つ。
いざという時、それを知っているだけで少し心に余裕が出る。そして、自分の生命維持に必要な重さの水を運べる筋肉。これを普段から鍛える重要性を再確認。
ー電気ー
普段は山の斜面を落ちる水の力、高低差を利用した発電で作られた、地産地消の電気を使っていたが、電線も地すべりしているので停電が続いた。これから雪が降ると、また、停電の時期が来るので、思い切ってソーラーパネルを導入。システムはオーストラリアの旅中、ソーラーパネルと蓄充電バッテリーを繋いだシンプルなシステムを思い出し、遠くの市街地との交易が遮断されているため、手に入る材料で何とかしてみた。蓄充電器は、後日、街に見に行こうと思う。
とりあえず。これからの投稿、写真、動画、音声、ウェブサイト、本の執筆。ソーラーを使った自家発電で賄えそうで、それも嬉しい。
⇒日頃から、自分の生活と仕事に使う電気の使用量、また家族全員の使用量をオーストラリアにいる時、オフグリッドの友人宅にいた時、今日はどれくらい使った。と、可視化して見る癖をつけてもらった。その後から、電気を沢山消費する電化製品。意外と使わない電化製品。違いがわかってきた。
この村では通常時から、電子レンジ、電気ケトル、洗濯機、冷蔵庫。などの電化製品は、電気自体が弱いので使う事はできない。
ー食べ物ー
食料自給率が非常に高く、冬の間は備蓄食料で暮らす習慣が元々あるので、1ヶ月以上も、道路が遮断され物資が入って来ない状況でも、谷の人みんなが飢えることは無い。
毎日野菜や果物をもらう。
洋梨、りんご。きゅうり、とうもろこし、ブロッコリー、キャベツ、ニンニク。
これは、昨日と一昨日にいただいた、自家製野菜達。
それと、ストックしてある豆類、お米、粉を食べる。
ヒマラヤ原種の古代小麦も、羊飼いの家族が育てていて粉にひいた。貴重な栄養源。
⇒古来種、原種のお野菜は少しの量でも栄養価も高く、精神的満足度も高いので、普段からそのような食料をストックしておくと、災害時も少ない量で栄養がきちんと摂取できる。
【メンタルケア⠀】
天災に巻き込まれた時、とにかく身体が資本。
ストレスの大きく、どんなに悲しくても、自分でも力仕事をしないと復興できない。
クタクタになるまで肉体労働。そして、夜は電気もお風呂もない毎日。
朝、筋肉痛の体で、今日もまた復興作業だ!と、気合を入れて起き上がる。
今年はウールの製作どころではなかった。
もう、このまま放っておいて、日本帰りたい。事業は破綻だ!など、精神がやさぐれる時もある。
村のみんなも、泣いて泣いて全然何も出来てない時もある。
そんな時、誰からともなく、まんとらを唱え始めたり、神様の歌を歌う。そして踊る。
冗談を言って、とにかく笑う。
悲しいのは知ってるけど、とにかく笑う。
神官達は、自分の家が流されて、避難所くらしでも、早朝からおまいりにくるひとたちに、しゅくふくをさずけつづける。
慰めはもう言葉にしない。
ただ、微笑むだけ。
やっぱり、この谷の人は強いな〜って思う。
だから、私も一緒に強くなる。
横隔膜を鍛えていると、精神が打たれ強くなるらしい。
日頃から山仕事をして、山歩きをしている暮らしは、毎日が筋トレ。筋肉が鍛えられると、心も鍛えられると思う。
そして、日頃から大自然に揉まれている村の人達は、がむしゃらに頑張るのではなく、焦らず、ゆっくり、根気よく取り組むコツを知っている 。
私も、村の仲間も、しゃんなろーーー。って、思う時もある。
温泉から吹き出す蒸気は幻想的な月夜を見せてくれるし、日の出はやはり気持ちがいい。
共に暮らす動物たちは、いつも、胸をキュンとさせてくれる。
子供たちは、大人の後ろについてお手伝いをしてくれるし、何より、一緒にいて楽しい。
昨日は手のひら程の大きさのクワガタを捕まえて、荷物を担いで村まで帰るのを手伝ってくれた。
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日頃の暮らしと、コミュニティ自体の連携が保たれている、山岳遊牧民の暮らしは、政府に保証や保険にたよることなく、自給自足で統治していた時代から続くもの。
世界中で気候変動や異常気象で大きな被害がでているよう。
改めて、先住民族の知恵と英智を暮らしに少し取り入れ、日々の暮らしを見直し、日頃から足るを知り、質素に幸せに暮らしていたら、災害が起きてもへこたれない。と、コロナパンデミックの時と同じく思う。
日頃に瞑想と、身体のエクササイズ。その大切さも身に染みる。
女性1人暮らしで、車道から2.3時間歩かなくてはならない、山の上の生活をオフグリッドにしていくには、まずは体力、筋力が必須。それから、大袈裟に考えず、なるべくシンプルにシステムを構築すること。
まさに、パーマカルチャーデザインの暮らしそのもの。
それを、根気強く、期待しすぎず、淡々と積み重ねた、自然とオフグリッドになっていた。位、気張らずにやっている。
質素でシンプルな暮らしに溢れる幸せを味わって、人も動物も笑って、泣いて、森羅万象に感謝溢れ、そんな村の営み美しいと思う。
今日も地球は美しく、宇宙はめぐりを続けてる。
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私個人として、今回の水害で、自宅を失った方。
避難所くらしの方。へ、政府から補助やお見舞いは一銭も出ないことが決まった。私の目の前のこまっている人へチャリティーとして、毎月オンラインで行っている、糸紡ぎのクラスの経費を除いた全額を3ヶ月間。まずは、全額寄付をする事にした。
それは微々たる金額で、被害と補習にかかるお金には到底及ばないけど、まずは3ヶ月間寄付を続けてもようと思っています。
もしも、この投稿を読んで募金にご協力いただける方は、emailまで直接メッセージください。
経費を除いた全額を寄付したいと思います。
Mutsumiumi@gmail.com
ドネーション希望。と件名に記入お願いします。
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命を落としてしまった方、世界中の迷える魂に祝福がありますように。
全ての存在が幸せでありますように
地球と宇宙の祝福と共にありますように。
愛と感謝と祈りを込めて