‐‐‐ MutsumiUmiとKadhiの出会いと歴史的背景 ‐‐‐

カディコットンとは、インドの手紡ぎ手織りの布の名称です。

イギリスが植民地支配をしていた時代、イギリスの機械織り綿布に対する対抗運動してマハトマガンディがインド各地を徒歩で巡り、塩と手織り布によるインド人の自立と平和の道を促し普及したといわれています。

実際にインドを旅するとガンディが実際にその地に歩き巡ってきたことを記念する、モニュメントを道の端で見かけます。BellaTerra で、使用しているカディコットンを製作してくださっているグジャラートの街角にもこうしたモニュメントがありました。

ガンディの起こした運動の影響は、宗教観、国民性、倫理的思想が交わり、各地で伝統的な生活を続けている人たちの中に未だに残っています。暮らしの中に紡ぎ、織る。行動が残っている方々に偶然に私自身の旅で出会い、インドで原始的な糸紡ぎと織りをMutsumiUmi自身が修練しています。

ガンディ亡き後、近代化に伴い社会は劇的に変化し必要不可欠となった貨幣の存在。

グジャラートのカッチ地方で村人たちの昔ながらの民族的暮らし、そして原料の生産から大地に優しく地球の循環に沿った仕事の方法を村人に伝え、民族的暮らしと経済の変化とバランスを保ちながら共存できる形を願い活動するインド人発起のNGOグループの製作するカディコットンに出会い、自身の洋服をこの布を仕立て何年も愛用していました。

MutsumiUmi自身はヒマラヤの山岳遊牧民と2014年より暮らし、水源まで水を汲みに行き、山に入り草刈りをし、薪を運び、牛や羊や馬などの家畜と共に日々の生活を共に営み、先住民族のヒマラヤの大自然の護り人として役割と共にある生き方を、言葉ではなく在り方で長老から生活の中で伝えてもらっています。

ヒマラヤの村の人たちと紡ぎあげてきた地球規模で存続させたいと願う豊かな暮らし、生きる糧を与えてくれる美しい地球を想い、民族に伝わる紡ぎや織の技術から生み出される、機能性に富んだ着心地の布を現代社会にも取り入れやすいデザインで仕立てております。

高度経済成長の中でどこにでも起こっている「自然の中に溢れる恵みと共に暮らす暮らし」を捨て、「人々が都会へ出て賃金労働にいそしむという変化」はインドでもポピュラーですが、「たくさん必要なわけではなく、ただ質素に大地と家畜の与えてくれる豊かさと共に先祖の様に生きていきたい。」

と願うトライバルの人達に旅の中で実際にMutsumiUmiが出会い、広い国の中に分散していることを知りました。

インドにこうして身を置くことで、MutsumiUmi自身の生き方自体に大きな影響を受け、手紡ぎ手織りのハンドメイドの洋服を自給し何年も着用し続けるうちに、経年変化の様子や着心地など心地よく愛用するようになり、今では皆さんにその良さをお勧めするようになったわけです。

元々、販売目的で製作したわけではなく自分のために長年製作して来ました。

ロックダウンと世界的パンデミックの中、MutsumiUmiは、ネパールとインドでパンデミックを経験し、経済が大きく傾いている現地の現状を見て、ロックダウンを実際にネパールとインドで経験して、どの国も大変だったと思うのですが、医療も整っていない後進国で戸惑いその現実を見つめている中で、何をしたらいいだろう?何ができるだろう?と考えていたところ、日本から衣をお求めになりたい方のお声とサポートのおかげで『できる分をおすそ分け。』のような形で販売がロックダウン中に始まりました。

‐‐‐カディについて ‐‐‐

手紡績、手織りの布をカディと言います。インドの中でも地方ごとに綿、絹、羊毛と特産の原料を材料としています。

BellaTerraではグジャラート州カッチ地方でオーガニック栽培されている、在来種であるカラコットンをコットンシリーズで、ヒマ―チャルプラディッシュ州ヒマラヤ山岳部の山岳遊牧民の遊牧の羊毛をウールシリーズでお仕立てしております。

手紡績の種類も様々で、糸車が電動で回るもの、チャルカと呼ばれる伝統的な回転ホイール、スピンドルという原始的な駒の道具まで様々で、原料や仕立て上がりのデザインに応じて適材適所で采配しております。

手紡ぎの糸は機械での紡績糸の様に均一ではなく、人の手で紡ぐ独特の不均一さに味わいがあります。糸のでこぼこは空気を含み布になった時にも、風を通し通気性良くふわっと軽い着心で吸収性も速乾性も優れています。布自体が呼吸しているようで、夏は涼しく、冬は暖かく心地よいです。

手紡ぎの糸は、機械紡績の糸の様に均一ではないので、織りの作業の段階でも時間も技術も手間も要し、1年以上の準備期間を経て出来上がるものも多々あり製作は簡単ではありません。

どの素材でも手紡績手織りすることで、工業製品に比べ、素材が本来持っている機能性をより引き出し機能的にも大変優れていると感じています。

藍染の布は手紡ぎの糸をインド藍で織る前に染めています。実は、先染めのカディは高度な技術と手間が非常にかかり、入手が困難な状況にあります。織りあがった布を染める場合に比べて、藍の持つ天然の薬効成分が糸の深部までしっかりと染み込み糸自体が強くなります。糸の時点で染めることで糸には染むらがでますので、織りあがった時にも先染めの糸で織られた布は若干のむらがでます。

ですが、先染めの糸で織られたカディの布は大変上等な布としていまでもインドで大切に扱われています。BellaTerraでは、伝統的作業を続けている工房に特注で生産をお願いしています。天候などの影響もあり注文したら予定通りに入荷するというわけでもありません。一枚の布も大地や人の手の技が詰まっている、一期一会の貴重な出会いの様に真摯に布と向き合っています。

‐‐‐原料の製作について‐‐‐

毎年、流行の洋服が発表され消費者の購買欲を煽る計画的宣伝が行われ、衣類を最後まで大切に着るという日本に古来からあった思想から遠ざかってしまっている昨今。

日本市場での基準に達する綿布を生産するために、コストなどの点から有機栽培ではなく近代農法でそのほとんどが栽培されています。その背景では生産地で農薬や枯葉剤など人体に環境にも悪影響のある薬剤を使用することが大きな問題となりました。綿の生産時に使用された農薬の量は、1990年代には全世界の20%を上回るも程だったが現在では改善されてきているそうです。

また、牧羊の現場でも他の家畜の生育環境と同じく数多くの心痛む行いが現場では行われています。

第一次産業を旅のテーマの一つとして世界を旅していたMutsumiUmiは、途上国と発展途上国、有機栽培と先進農業の境なく自分の目で見つめ旅をした日々の中で、インドヒマ―チャルプラディッシュ州で山岳遊牧民の暮らしに偶然出会い糸紡ぎを習い初め、地球との循環を保った先住民族の生活スタイルが残っていることを知りました。

カディの作られ方の細かな違い、年代ごとの主流の道具の変化の過程、その背景の暮らしの違い。2014年から歳月を現場で過ごし自分の経験として学び身に着ける中で、機能性の良さと着心地のよさを、標高2700Mほどの山小屋暮らしで存分に体感しています。

例えば、ウールは共に暮らしている羊飼い家族が4000Mの高地で遊牧している原毛を譲ってもらい原料の一部としています。原料を物としてではなく、生産地に暮らすことで植物や動物の命の営みの中に地球からの恩恵の息吹を深く感じています。

インドを含む各地に訪れている貨幣経済と先進化は波のように満ち引きながら、各地に平等にあらがいようのない変化として訪れるインドで、想い同じく活動する方々と出会い現地を訪ねて言葉を交わし、原料から確認しながら布をオーダーし衣を製作しております。

‐‐‐ Messa from Himalaya‐‐‐

セラピストとして各国で学び仕事をしてきた経験を通して、毎日身に着ける衣の大切さを非常に感じています。

24時間皮膚からの刺激は脳に伝わっています。衣類が関節の可動域を妨げる時、その刺激は細胞や脳に感覚を通して24時間作用しています。自分では認識していないちょっとしたストレスとなり、身体の使い方の癖や姿勢にも影響してきます。いつも着用している衣服は、身体の構造に寄り添い、精神の充足感をあたえ、また魂に共振できるほど微細で繊細な触れ心地であってほしいと思うのです

丁寧に素朴に昔ながらの手仕事をしている名もなきアーティストが世界のどこかにたくさんいること。

その昔、人は日々の自然の中から生きる糧を得て、だれもがクリエイターで芸術家だったと、日本を含む多くの先住民族の方の暮らしの中で体感し、そのような志向を持った方々の手工芸を衣に仕立て日本にお届けできることに喜びと感謝を感じています。

現代に生きる人にも本来備わっている無限の感覚の広がりや本来のポテンシャルを、身体を包む衣として引き出せるお手伝いができたらと思います。

見目の美しさだけでなく、思考や理論だけの話でなく、ヒマラヤの奥地の村の命の宿った衣食住の中に宿る豊かで満たされている感覚が、国境も年齢も性別も関係なく広がっていき、次世代へも繋いでいけたらとヒマラヤの山を見ながらこの文章を書きながら願っています。

地球と宇宙の祝福のひとしずく羽衣となり

輝くあなたの旅路の友となりますように

母なる地球の愛、恵み、豊かさ、

ぬくもりと共に。

父なる宇宙の智慧、叡智、光、導きと共に

健やかに、幸せに、祝福と共に、

輝く道を歩まれ続けますように。

皆様が幸せでありますように。

すべての存在が幸せでありますように。

私たちを生かしてくださる地球と宇宙。 

すべての存在に感謝を込めて。

MutsumiUmi

bellaterrawool.com

参考文献: MANISHA NISHA  IndianKadhi msnishanisha.base.ec

           優美な織物の物語  クリスティーナマーティン著 山田美明著

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